フィヨルドブートキャンプ生の日報を読んでいると、ときどき「VS Codeでデバッグを使ってみたら、とても便利でした」というような文章を見かけることがあります。
言いたいことはなんとなく伝わるのですが、微妙に用語の使い方が違っていて読み手に違和感を与えてしまいます。デバッグ・デバッガ・debug.gemと、それぞれ用語の意味をきちんと把握しておきましょう。
## デバッグ(debug)
- バグ(不具合)を取り除く行為のこと。
- 「-する」を付けて「デバッグする(=バグを取り除く)」という使い方もよくされる。
## デバッガ(debugger)
- デバッグに役立つツールのこと。
- デバッガの典型的な機能として、ステップ実行でプログラムを一行ずつ進めたり、実行中のプログラムの変数の中身を確認できたりする。
## [debug.gem](https://github.com/ruby/debug)
- Rubyの標準デバッガ。ruby/debugと呼ばれることもある。
- このほかにもRuby用のデバッガとしては[byebug](https://github.com/deivid-rodriguez/byebug)も有名。
debug.gemの利用例 ↓
![Screenshot 2023-05-27 at 11.22.22.png](https://bootcamp.fjord.jp/rails/active_storage/blobs/redirect/eyJfcmFpbHMiOnsibWVzc2FnZSI6IkJBaHBBMWNNQXc9PSIsImV4cCI6bnVsbCwicHVyIjoiYmxvYl9pZCJ9fQ==--5ae4504480ecb901e5b336718035b60cf2982448/Screenshot%202023-05-27%20at%2011.22.22.png)
## デバッグとデバッガは一般用語、debug.gemはRuby専用の用語
上の3つの用語のうち、デバッグとデバッガはプログラミング全般で使われる用語です。
一方、debug.gemはRuby用のツールなので、Rubyプログラミング以外の文脈で使われることはありません。
また、debug.gemは「でばっぐ・じぇむ」という名前ですが、これをカタカナで「デバッグ」と書いてしまうと、一般用語の「デバッグ」と区別が付かなくなります。
debug.gemを使うときは`gem install debug`や`require 'debug'`のように、単に"debug"と記述する点も「デバッグ」と呼びたくなる原因のひとつなのかもしれませんね。
## 具体的な用例で使い分けを確認する
具体的な用例を見てみましょう。
### ❌ デバッグを使った。便利だった。
カタカナで「デバッグ」と書くと、一般用語のデバッグの意味になります。デバッグは行為であって、ツールではないので、「デバッグを使う」は不自然です。
読み手は「デバッガを使った、って言いたかったのかな?それともdebug.gemのことを言ってるのかな?🤔」と首をかしげることになります。
### ✅ デバッガを使った。便利だった。
デバッガはツールなので「デバッガを使う」は正しいです。ただし、これだけだと具体的にどんなデバッガを使ったのかはわかりません(世の中には様々なデバッガがあるため)。
### ✅ debug.gemを使った。便利だった。
これも問題ありません。Rubyのデバッグをするために、debug.gemを使ったことがわかります。
他にも「debug.gemを使ってデバッグした」とか「デバッグするためにデバッガを初めて使った」みたいな文章もOKです👌
## まとめ
発音上は微妙な違いしかないのでちょっとややこしいですが、用語を正しく使い分けて、他の開発者ときちんと意思疎通が図れるようになりましょう💪
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